OUTDOOR
「CET」とは、セントラルイースト東京(=Central East Tokyo)の略。 神田・馬喰町・浅草橋・日本橋を結ぶエリアを中心とするこちらでは ここ数年、ギャラリーやカフェ、センスのよいショップが誕生したり、 独自のイベントが開催されたりと、新たな文化の発信地となっているのです。 そんなCETエリアの今と注目ショップをレポートします。



今年の7月18日に行われたCETのイベント「CET090718」の風景。リノベーション物件などを巡るツアーや道路を使ってのインスタレーションなど、盛りだくさんのイベントが開催。

今回お話をうかがったのは、「CET実行委員会」のシミズヨシユキさんと、この地域のリノベーションなどを手がける「東京R不動産」の松尾尚司さん。CETエリアの誕生エピソードを教えていただきました。
「このエリアがCETと呼ばれる由来ともなっているのが、2003年より開催されている、同名のアート・デザイン・建築の複合イベントです。もともとこのエリアは衣料問屋街として発展した場所。ただ当時は、周辺で大規模な都市開発が進むなか、古い建物や空きビルが多く残っていました。
同じ頃、青山界隈ではデザインイベントが行われていたのですが、デザインの力で都市を再生するという試みが一部で始まりました。東京の東エリアに、非常にポテンシャルがあると気付き始めていたこともあり、それをこのエリアで実践したら面白いのではないか?という話になったんです。それで2003年11月に、空きビルなどのスペースを使ってアートの展示などを行うイベントをスタートさせました。以来年1回のペースで開催しています」(シミズさん)
「そうやって毎年CETを開催していくうち、この界隈が建築・アート関係の人にとって、非常に魅力あるエリアだとわかってきました。古い建物のリノベーションにもおおむね協力的ですし、アクセスも良い。そこに魅力を感じて実際にオフィスやギャラリーを移転させる人が増えてきたんです。そこから人づてに広がったという感じでしょうか」(松尾さん)
結果、昔ながらの街並みと新しいスポットが混ざりながら独自の雰囲気を形成。CETの時以外にも楽しめるギャラリーやカフェ、ショップが集まるエリアとなりました。
「ここの魅力は、東京の中心なのに“江戸”っぽい空気も感じられること。お祭りの時なんて本当にすごいし、普段歩いていても気軽に挨拶してもらえたり。そんな古くから続く街の文化と共存しながら、何かを発信していけたらうれしいですね」(シミズさん)


<上> 「馬喰町ART+EAT」の店内。
<左> 人気の「ディップ3種セット」。ピタパン付きで840円。

こうしてマイペースで進化を続けるCETエリア。年1回のイベント時以外でも、楽しめるスポットが登場しているのは前述の通り。ここではそんななかから、おすすめの2つのスポットを紹介します。
まずは「馬喰町ART+EAT」。古いビルの2階に位置する、ギャラリー&カフェスペースです。オーナーの武眞理子さんは、以前は女性向けの雑誌や書籍の編集を手がけていたという経歴の持ち主。当時から温めてきた「アートやクラフトの作品を鑑賞しながら、カフェでゆっくりくつろげるスペースを作りたい」という夢を形にすべく、2007年10月にこちらをオープンさせました。
壁を真っ白に塗り、床に古い足場板を置いた店内は、古いビルならではの味わいと、リラックスした空気が流れる空間。ギャラリーの作品は、陶芸・絵・オブジェなど幅広いジャンルからセレクトされ、およそ半月ごとに入れ替わります。
さらに“EAT”にもこだわりがたっぷり。「いい食べ物がいい時間をつくる」という思いから、無農薬の野菜を使ったヘルシーなレバノン料理を提供。写真のディップのほか、ランチタイムにはビーフストロガノフやピラフも登場します。
「このエリアは昔から交通の要所で、さまざまな人と文化が行き交い、混ざり合う場所。そんな雰囲気が気に入りました。この場所で気持ちよい時間を過ごして、新しい人やものに出合ってもらえたらうれしいですね」(武さん)
「n100 tokidoki shop」。左手はアトリエスペースになっています。

手前から、カシミアキッズマフラー8,820円、カシミアグランダッドTシャツ32,550円、カシミアラグランTシャツ29,400円(以上n100)
もう一軒は「n100 tokidoki shop」。ウエアブランド「n100(エヌ・ワンハンドレッド)」のアトリエを利用した、不定期オープンのショップです。
n100は、“100年経っても着ているかもしれない、ほんとうに好きなもの”をテーマに2008年デビュー。アパレルブランドで長年キャリアを積んだ大井幸衣さんと橋本靖代さんが生み出す服は、一見ごくベーシックだけど、着ると「そうそう!」といいたくなる絶妙の素材感やデザイン具合が魅力です。特にカシミアニットには高い定評があり、軽くてあたたかく、肌触りのよいセーターやストールは、一度着たら忘れられないほど。スタイリストやモデルにも愛用者が多いというのもうなずけます。現在は全国のセレクトショップを中心に展開されていますが、この春CETエリアにアトリエを移転したのをきっかけに、6月より「tokidoki shop」をスタートさせました。現在は月に1〜2度、金と土の午後にオープンしています。
「ここにアトリエを構えたのは知人の紹介がきっかけです。以前浅草橋に勤務していたことがあるのですが、当時とは印象がずいぶん変わりましたね」(大井さん)
アトリエの空気感を感じながら服を選べるなんて、ファンにはたまならい空間。ショップのオープン情報はブログにてチェックを。

